この記事を書いた人:シゲッチ(重村裕一)
株式会社クレアクロス 代表取締役。大阪市西区靭本町を拠点に、売買・賃貸・相続・管理まで不動産全般をワンストップで対応。お客さま目線を第一に、肩書に頼らず正直な情報をお伝えすることを大切にしています。
📋 この記事でわかること
- 認知症になると不動産の売却・贈与ができなくなる理由(意思能力と民法3条の2)
- 家族信託・生前贈与・任意後見の違いと、どんな家庭に向くか
- 大阪市西区で「元気なうちに」進めておくべき備えの手順
- 判断能力が低下してからでも取れる選択肢(成年後見)と注意点
大阪市西区で選ばれてきた実績
「うちの親はまだしっかりしているから大丈夫」——そう思っているうちに、認知症の診断が出て自宅マンションが売れなくなった。大阪市西区で不動産の仲介をしていると、こうしたご相談が年々増えています。不動産は判断能力があるうちにしか動かせない資産です。この記事では、認知症で不動産が凍結する仕組みと、西区にお住まいのご家族が元気なうちにできる3つの備えを、実務の現場からわかりやすく整理します。
なぜ認知症になると不動産が「凍結」するのか
不動産の売買契約や贈与契約は、契約する本人に「意思能力」があることが大前提です(民法3条の2)。認知症が進み、契約の意味を理解して判断する力が失われたとみなされると、その契約は無効になるおそれがあります。そのため金融機関や司法書士は、本人確認と意思確認を非常に厳格に行います。
たとえば売主が高齢で、司法書士が面談で意思確認を取れないと判断すれば、登記手続きは進みません。結果として、住んでいる家であっても売る・貸す・贈与するといった行為が一切できなくなります。これが、いわゆる不動産の「凍結」です。西区のように分譲マンションが多いエリアでは、ご高齢の区分所有者が単独名義でお住まいのケースも多く、決して他人事ではありません。
元気なうちに検討したい3つの備え
家族信託で管理・処分権限を託す
家族信託は、判断能力があるうちに不動産の管理・処分の権限を、信頼できる家族(受託者)に託しておく契約です。認知症を発症した後も、受託者が契約の範囲内で売却や賃貸管理を進められるため、家庭裁判所の許可を都度得る必要がありません。柔軟性が高い一方、契約書の作成に司法書士や弁護士への費用がかかり、信託していない財産には効力が及ばない点に注意が必要です。
生前贈与で早めに名義を移す
生前贈与は、判断能力があるうちに所有権そのものを次の世代へ移す方法です。贈与税・登録免許税・不動産取得税といったコストを踏まえて計画する必要がありますが、相続時精算課税制度や住宅取得資金の特例など、使える制度を組み合わせることで負担を抑えられる場合があります。税金の判断は必ず税理士と連携して進めます。
任意後見契約で将来に備える
任意後見契約は、判断能力が低下した後の財産管理や「身上監護」までを、あらかじめ決めた人に任せる契約です。誰に何を任せるかを自分で決められるのが特徴で、将来の生活全体に備えたい方に向いています。いずれの制度も「元気なうちに契約を結ぶ」ことが絶対条件で、診断が出てからでは選択肢が大きく狭まります。
制度ごとの向き・不向きを比べる
どの制度が合うかは、ご家族の構成や資産の内容、目的によって変わります。おおまかな比較を整理すると次のとおりです。西区での実際のご相談でも、「まず何を優先したいか」を一緒に整理することから始めています。
| 比較の観点 | 家族信託 | 成年後見(発症後) |
|---|---|---|
| 始められる時期 | 判断能力があるうち | 判断能力が低下した後 |
| 不動産の売却 | 契約の範囲で受託者が可能 | 家庭裁判所の許可が必要な場合あり |
| 手続きの柔軟さ | 高い | 低い(裁判所の監督下) |
| 主なコスト | 契約書作成の専門家費用 | 後見人報酬が継続的に発生 |
もし診断が出てしまったら
すでに認知症の診断が出ている場合でも、打つ手がゼロになるわけではありません。判断能力の程度によっては契約が可能なケースもありますし、売却がどうしても必要なら成年後見制度を利用する道があります。ただし後見人が選任されるまで数か月かかることもあり、居住用不動産の売却には家庭裁判所の許可が必要です。私が担当した大阪市内の案件でも、診断後に売却を希望されたものの、手続きが半年以上止まってしまった例がありました。だからこそ「早め」が何よりの対策になります。
「凍結」で家族が直面する具体的な困りごと
不動産が凍結すると、単に売れないだけでは済みません。たとえば施設入居の費用を自宅の売却でまかなう予定だったのに、資金化できずに家族が立て替える事態になったり、空き家になった実家の固定資産税やマンションの管理費・修繕積立金だけが払い続けられていく、というご相談も西区で実際にありました。誰も住まない住戸でも、区分所有である以上ランニングコストは発生し続けます。
また、相続の場面でも影響が及びます。認知症のご本人が相続人に含まれると、遺産分割協議そのものが進まず、他のご家族の相続手続き全体が止まってしまうことがあります。「一人の判断能力」が家族全体の資産に関わるという点を、早い段階で知っておいていただきたいのです。
大阪市西区で備えを進める手順
まずはご家族で「誰の・どの資産を・どうしたいのか」を話し合うことが出発点です。そのうえで、家族信託・生前贈与・任意後見のどれが合うのかを、司法書士・税理士・不動産の専門家を交えて検討します。当社では、西区の相場やご自宅の売却可能性も踏まえたうえで、法務・税務の専門家と連携しながら中立的にご案内しています。肩書や制度名から入るのではなく、ご本人とご家族が納得できる形を一緒に探すことを大切にしています。
Q. 親がまだ元気ですが、今から相談してもよいですか?
A. はい、むしろ元気なうちのご相談が最適です。判断能力があるうちにしか選べない制度が多いため、早い段階で全体像を知っておくことで、あわてず準備を進められます。
Q. 家族信託と成年後見はどちらがよいのですか?
A. ご家庭の目的により異なります。柔軟に不動産を活用したいなら家族信託、発症後の生活全体を守りたいなら後見制度が向く場合があります。当社では専門家と連携し中立的にご説明します。
Q. 西区の実家の売却も相談できますか?
A. もちろんです。将来の売却可能性や相場感も含めてご相談いただけます。売り急がず、ご家族にとって最適なタイミングと方法を一緒に考えます。
まとめ:判断能力があるうちに一度整理を
不動産は「そのうち考えればいい」と後回しにされがちですが、認知症は誰にとっても他人事ではありません。家族信託・生前贈与・任意後見のどれが合うのかは、ご家庭ごとに答えが違います。大阪市西区で長く地域に根ざしてきた者として、まずは現状を整理し、必要な専門家におつなぎするところからお手伝いします。判断能力があるうちの一歩が、ご家族の将来の安心につながります。
補足すると、家族信託や任意後見は「契約して終わり」ではなく、実際に運用する家族の理解と協力があって初めて機能します。誰を受託者にするか、他の兄弟姉妹にどう説明して納得を得るか、という家族間の合意形成こそが最も大切な準備です。制度の器を用意するだけでなく、想いを共有しておくことが、後々のトラブルを防ぎ、ご本人の意思を尊重した資産管理につながります。
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「まだ決めてない」「話だけ聞きたい」でも大丈夫です。
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