- パンフレット表示の面積(壁芯面積)と登記簿の面積(内法面積)はなぜ違うのか
- 住宅ローン控除の床面積基準が、令和8年度税制改正でどう変わったか
- 40㎡基準と50㎡基準、どちらが自分に当てはまるかの考え方
- 契約前に内法面積を確認する具体的な方法
- 面積基準ぎりぎりの中古マンションを検討するときの注意点
「パンフレットには42㎡と書いてあったのに、住宅ローン控除が使えないと言われました」。大阪市西区で中古マンションの購入相談を受けていると、面積の表示をめぐってこうした行き違いが起きることがあります。原因は、パンフレットの面積と登記簿の面積が、そもそも違う基準で測られているという、あまり意識されない事実にあります。数十万円単位の控除が使えるかどうかが、壁の測り方ひとつで変わってしまう――契約前に知っておいていただきたい内容です。
「パンフレットの面積」と「登記簿の面積」はなぜ違うのか
マンションの広告やパンフレットに載っている面積は、多くの場合「壁芯面積」と呼ばれるもので、壁の厚みの中心線から測った面積です。部屋を実際より少し広く見せる目的があるわけではなく、建築確認申請の図面がこの測り方を基準にしているために、そのまま広告に転記されているだけのことがほとんどです。
一方、登記簿に記載されている専有部分の面積は「内法(うちのり)面積」といい、区分所有法上の専有部分にあたる、壁の内側の実際に使える範囲を測った面積です。壁芯面積は内法面積より数%〜10%程度大きく出るのが一般的で、パンフレットで42㎡と書かれていても、登記簿上は38㎡台ということが実際にあります。
古い建物ほど壁が厚く、この差が大きく出る傾向があります。大阪市西区は靭本町や新町のように昭和期から平成初期にかけて建てられたマンションも多く、築年数が古い物件ほど「パンフレットの数字を信じていたら基準に届かなかった」というケースに注意が必要です。
住宅ローン控除の床面積基準、令和8年度改正でどう変わったか
住宅ローン控除(租税特別措置法上の住宅借入金等特別控除)の床面積要件は、これまで新築住宅に限り「40㎡以上」の特例がありました。中古(既存)住宅は原則として「50㎡以上」が基準で、新築より10㎡厳しい扱いだったのです。
令和8年度税制改正により、令和8年(2026年)1月1日から令和12年(2030年)12月31日までに入居する住宅は、新築・既存住宅(中古)ともに床面積40㎡以上で対象になりました。既存住宅の床面積要件が10㎡緩和され、新築と同じ基準になった形です。中古マンションを検討している方にとっては、選べる物件の幅が広がる改正といえます。
ただし、この床面積の判定に使われるのは登記簿上の内法面積です。パンフレット表示では40㎡(または50㎡)を超えていても、内法面積では基準に届かず控除の対象外になってしまうケースがあります。「表示面積は基準を満たしているはずだったのに」という行き違いは、この内法面積とのズレから生まれます。
つまずきやすい4つの典型パターン
床面積基準は「40㎡あれば誰でも対象」というほど単純ではありません。所得や世帯の状況によって、適用される基準そのものが変わります。実際の相談でよく見られる典型パターンを整理しました。
契約前に確認する方法は簡単です
物件を気に入った段階で、仲介会社に「登記簿上の面積」を確認してもらう、または法務局で登記事項証明書を取得すれば、内法面積はすぐに分かります。登記事項証明書は法務局の窓口のほか、オンライン申請でも取得でき、費用も数百円程度です。住宅ローン控除などの利用を考えている場合は、パンフレット表示の面積が基準ぎりぎりの物件ほど、契約前の段階で必ず確認しておくことをお勧めします。
ご自身がどちらの基準(40㎡か50㎡か)に該当するかは、所得や世帯状況によって変わります。控除そのものの適用可否の最終判断は税理士または税務署の領域ですが、面積の違いと基準をあらかじめ分かる言葉でお伝えするのは、私たち不動産会社の役割だと思っています。
西区の中古マンションで見られる面積のクセ
大阪市西区は靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座といったエリアに、昭和期から平成初期に建てられたマンションが数多く残っています。こうした古い建物ほど構造上の壁が厚く、壁芯面積と内法面積の差が5%を超えることも珍しくありません。逆に、比較的新しい建物や、軽量な間仕切りが多い建物では差が小さくなる傾向があります。
「築年数が古いほど注意して確認したほうがよい」という一般論は覚えておいて損はありませんが、最終的には物件ごとの登記事項証明書を確認するのが確実です。中古マンション探しの段階から、気になる物件の内法面積を並行して確認しておくと、住宅ローン控除の見通しを含めた資金計画が立てやすくなります。
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