株式会社クレアクロス代表取締役。大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理まで幅広く不動産の相談を受ける。肩書きより「自分の家族に勧められるか」を判断のものさしにしている。
- 不動産売却で損をする「囲い込み」の正体と、なぜ起きるのか
- レインズの登録証明書と販売状況報告で売主自身がチェックする方法
- 両手取引そのものは違法ではない、という正しい理解
- 大阪市西区(靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座)で会社を見極める視点とFAQ
「なかなか買主が見つからない」——売却が長引くとき、その裏で担当した不動産会社が物件を「囲い込み」しているケースがあります。囲い込みは表からは見えにくく、気づかないまま値下げを繰り返してしまう売主も少なくありません。この記事では、大阪市西区で数多くの売却を手がけてきた立場から、囲い込みの正体と、売主自身が制度上の権利を使って見分ける方法を、現場の実務目線でお客様の立場から整理します。
「囲い込み」とは何か、なぜ起きるのか
囲い込みとは、売主から預かった物件情報を他社に流さず、自社だけで買主を見つけて売買を成立させようとする行為です。ねらいは「両手取引」にあります。不動産会社は、売主から買主を紹介した相手を自社で見つけられれば、売主・買主の双方から仲介手数料を受け取れます。この両手取引そのものは法律で禁じられているわけではありません。問題は、両手を狙うあまり、他社が買主を連れてきても「商談中です」「もう申込みが入っています」などと事実と異なる説明で断り、他社経由の買主を締め出してしまう点にあります。
他社を通じた購入希望者が排除されれば、当然ながら物件が買主の目に触れる機会は狭まります。その結果、本来ならもっと早く、もっと高く売れたはずの物件が、値下げを繰り返してようやく成約する——損をするのは売主です。大阪市西区のように需要が底堅いエリアであっても、囲い込みが起きれば「売れ行きの良い物件」がなぜか動かない、という不自然な状況が生まれます。まずは「囲い込みは売主の利益を損なう行為だ」という前提を、しっかり持っておくことが大切です。
売主が使える「3つのチェック」
専任媒介・専属専任媒介を結ぶと、不動産会社にはレインズ(指定流通機構)への物件登録が宅地建物取引業法で義務づけられています。期限は専任媒介が契約日から7営業日以内、専属専任媒介が5営業日以内です。登録が完了すると「登録証明書」が発行されますので、必ず受け取り、所在地・価格・面積などが実際の募集内容と一致しているかを確認してください。証明書の交付を渋る、期限を過ぎても出てこない——そんな会社は要注意のサインです。
販売活動の状況報告も法律上の義務です。専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上と定められています。ここで大切なのは、報告の「中身」です。「問い合わせは何件あったか」「他社からの物件確認(この物件は紹介できますか、という照会)は入っているか」「内見の予約状況はどうか」を具体的に尋ねてみてください。毎回「反響を待っています」といったあいまいな返答が続くようなら、囲い込みを疑う一つの目安になります。
レインズには、登録した物件が今どういう状態か(公開中・書面による購入申込みあり・売主都合で一時的に紹介停止など)を示すステータスがあります。売主は担当会社を通じて、自分の物件が他社から見て「紹介可能」な状態になっているかを確認できます。実際には買主がついていないのに「申込みあり」と表示されていれば、それは囲い込みの典型的な兆候です。遠慮なく「他社さんからお客様を紹介してもらえる状態ですか」と尋ねましょう。堂々と答えられる会社なら安心材料になります。
誠実な会社と囲い込みをする会社の違い
| 確認する場面 | 誠実な会社 | 囲い込みが疑われる会社 |
|---|---|---|
| 登録証明書 | 期限内に交付し内容を説明 | 交付を渋る・遅れる |
| 販売状況報告 | 反響・確認・内見を具体的に共有 | あいまいな返答が続く |
| 他社からの紹介 | 歓迎し積極的に対応 | 「商談中」で断りがち |
大阪市西区で囲い込みを避けるための現場目線
大阪市西区は都心に隣接しながら、街ごとに表情が大きく異なるエリアです。京町堀・靭本町はオフィスと落ち着いた住環境が同居し、コンパクトなマンションに底堅い需要があります。南堀江・新町はデザイン性や生活利便を重視する層に人気で、価格水準もエリア内で高めに動きます。阿波座は複数路線が使える利便性から、価格と交通のバランスを求める方に選ばれやすい街です。こうした「本来なら買主がつきやすい」エリアだからこそ、囲い込みで販売機会を狭められると、その損失は大きくなります。
私たちが売却をお預かりするときは、レインズへ正しく登録し、他社経由の購入希望者も広く受け入れることを前提にしています。買主を自社で見つけられるかどうかより、まず「一番早く・一番良い条件で売れる道筋」を優先する——それが結果的に売主の信頼につながると考えているからです。もし今、別の会社に売却を任せていて「反響がない理由がはっきりしない」と感じるなら、登録証明書と直近の販売状況報告を見せてもらうところから始めてみてください。数字と事実で説明できるかどうかで、会社の姿勢は自然と見えてきます。なお、売却に伴う税金や特例の適用については、税理士とも連携しながら判断されると安心です。
囲い込みが疑わしいと感じたときの動き方
「もしかして囲い込みでは」と感じても、いきなり感情的に問い詰める必要はありません。まずは制度上の権利にもとづいて、事実を一つずつ確認していくのが現実的です。登録証明書の記載内容、直近の報告書、他社からの物件確認の有無——これらを整理すると、単に市況が動いていないだけなのか、販売の入口でふさがれているのかが見えてきます。専任媒介・専属専任媒介には契約期間(最長3か月)がありますので、更新のタイミングも一つの区切りになります。
それでも不安が残るなら、別の不動産会社にセカンドオピニオンを求めるのも有効な一手です。第三者の目で募集条件や販売状況を見てもらうと、価格設定・写真・広告の出し方に改善の余地があるのか、それとも売り方そのものに問題があるのかを切り分けやすくなります。大切な資産だからこそ、遠慮はいりません。私たちも「まず他社さんの状況をうかがってから」というご相談を数多くお受けしています。焦らせるような話ではなく、事実を一緒に整理するところからお手伝いします。
よくある質問(FAQ)
A. 両手取引そのものは違法ではありません。売主・買主の双方を一つの会社が仲介すること自体は認められています。問題になるのは、両手を狙うために他社の買主を不当に排除する「囲い込み」の部分です。両手取引かどうかより、他社への紹介に誠実に対応しているかを確認するのが実務的です。
A. 複数社に依頼できる一般媒介は、一社が情報を抱え込みにくいという利点があります。一方で、各社の販売活動が分散して熱量が下がることもあり、一長一短です。専任媒介でも、登録証明書と報告をきちんと確認すれば囲い込みは見抜けます。物件やご事情に合わせて選ぶのがよいでしょう。
A. 媒介契約の期間は最長3か月で、更新は売主の判断で行えます。義務である報告や登録が守られていない場合は、その事実を確認したうえで更新を見送る、他社に相談するといった対応が考えられます。まずは記録を残しながら事実を整理し、必要に応じて専門家に相談されることをおすすめします。
株式会社クレアクロスは大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理をワンストップで扱う不動産会社です。マンション・戸建ての売却査定、媒介契約の見直し、任意売却まで、まずはお気軽にご相談ください。