大阪市西区を拠点に、賃貸・売買・収益・管理まで幅広く手がける不動産のプロ。肩書きに頼らず、お客さま目線での「損をしない判断材料」をお伝えすることを大切にしています。
この記事でわかること
- 収益物件の出口が、買った時点でほぼ決まってしまう理由
- 次の買主の融資を止めやすい建物の条件(再建築不可・既存不適格・旧耐震)
- 大阪市西区で収益物件を買う前に、担当者へ確認しておきたい3つの質問
融資期間は「建物の残り年数」で切られやすい
金融機関が投資用物件の融資期間を考えるとき、目安のひとつにするのが法定耐用年数です。鉄筋コンクリート造は47年、重量鉄骨造は34年、木造は22年。ここから築年数を引いた残存年数を、融資期間の上限の目安に置く金融機関が少なくありません。
たとえば築20年の木造アパートなら、残りは2年という計算になります。仮に返済期間が10年しか出なければ、同じ家賃収入でも毎月の返済額は大きく膨らみ、手元に残るお金はほとんどなくなります。買主にとっては「買えない物件」ではなく「買っても回らない物件」になってしまう。ここが怖いところで、売れないのではなく、価格を下げないと回らない、という形で効いてきます。
もちろん、これは法律で決まったルールではありません。耐用年数を超えていても、物件の収益力や借主の属性を見て融資する金融機関もありますし、判断は各行それぞれです。ただ、買い手の候補が「現金でお買いになる方」や「一部の金融機関を使える方」に絞られていくことは避けられません。母数が減れば、売り出してから決まるまでの期間も、価格の交渉余地も変わります。
ですので、10年後に売ろうとお考えなら、その時点で建物が何年残っているのかを、買う前に一度数えておく価値があります。鉄筋コンクリート造の築15年なら10年後も残存22年で、まだ選択肢は広い。木造の築15年なら10年後の残存は実質ゼロで、買い手は現金層中心になる。同じ「築15年」でも、出口の景色はまったく違います。
建物そのものが、次の融資を止めてしまうことがある
年数以外にも、次の買主の融資が難しくなる事情があります。現場で実際によく当たるものを3つ挙げます。いずれも購入時に確認できることばかりです。
建築基準法43条は、建築物の敷地は原則として幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないと定めています。これを満たさない土地は、今建っている建物を取り壊すと新たに建て直せません。担保としての評価は当然低くなり、融資の対象外とする金融機関もあります。売買図面の「接道」欄と、現地の道路幅を必ず突き合わせてください。
建築当時は適法でも、その後の法改正や用途地域の変更で現行法に合わなくなった建物を既存不適格といいます。違法建築とは性質が違い、そのまま使い続けること自体は問題ありませんが、金融機関によっては融資の対象外とされることがあります。検査済証の有無とあわせて確認しておきたい項目です。
建築確認が1981年(昭和56年)6月1日以降であれば新耐震基準です。それより前の建物は、区分マンションでも一棟物件でも、買主が使える融資の選択肢が狭くなりがちです。竣工年ではなく建築確認の日付で判定される点に注意してください。1981年竣工でも旧耐震というケースは珍しくありません。
いずれも、購入時の売買図面や登記事項証明書、検査済証の有無を見れば事前に気づけることばかりです。逆に言えば、売主側の資料が薄い物件ほど、出口で時間がかかりやすいとも言えます。
出口から逆算して、買う前に担当者へ聞くべき3つのこと
私がおすすめしているのは、購入を検討する段階で、次の3つを担当者に聞いてみることです。答えの中身以上に、答えられるかどうかが判断材料になります。
ひとつめは、この物件で、どの金融機関が何年の融資を出しているか。言い換えると、今の売主はどう買ったのか、です。前例があるということは、少なくとも同じ道が一度は通れたということ。ふたつめは、接道は何メートルか、再建築はできるか、検査済証はあるか。ここは調べれば分かる事実なので、曖昧な返事が返ってくるなら資料を取り寄せてもらってください。みっつめは、自分が売りたい時期に建物の残存年数は何年になるか。10年後、15年後と具体的に置いて数えてもらいます。
この3つに具体的に答えられる担当者であれば、その物件の出口まで考えてくれている可能性が高いと思います。逆に「利回りが高いですから」で話が止まるようなら、もう一歩踏み込んで聞いてみてください。表面利回りは持っている間の話で、融資の付きやすさは手放すときの話です。この2つは別々に見ておくと、判断を誤りにくくなります。
大阪市西区で収益物件を見るときの、地域ごとの読み方
大阪市内は投資用の中古物件の流通が活発で、築年数を重ねた一棟物件も区分も数多く出回っています。だからこそ、買うときは選択肢が多く見えても、売るときには「次の人が買えるかどうか」で明暗が分かれます。西区に絞ると、街ごとに買い手の性格がはっきり違います。
靭本町・京町堀は、住宅需要と事務所需要が重なるエリアです。賃貸の入居付けが安定しやすく、出口でも実需と投資の両方の目線で見てもらえるため、築年数を重ねても比較的値が落ちにくい傾向があります。南堀江・新町は単身から二人暮らしの需要が中心で、賃料は取りやすい一方、供給も多い地域です。設備の更新を怠ると空室期間が延びやすく、その状態のまま売りに出すと収益力の評価が下がります。阿波座は交通利便性のわりに価格がこなれており、買主層の幅が広いのが特徴です。土地値に支えられる場面もあり、古い建物でも動くことがあります。
もうひとつ、西区は事務所・店舗と住宅が混在する用途地域のため、同じ通りでも一本入ると建てられる規模が変わることがあります。既存不適格の建物が生まれやすい土地柄でもありますので、一棟物件を検討される場合は、建ぺい率・容積率と現況の延床面積を必ず突き合わせてください。ここは購入前に数字で確認できる部分です。
なお、融資の可否や条件は金融機関の判断であり、税額の計算は税理士の領域です。私たち不動産会社の役割は、その物件が将来どういう買い手に、どんな条件で渡せそうなのかを、良いことも悪いことも含めて正直にお伝えすることだと考えています。
よくあるご質問
Q. 法定耐用年数を超えた物件は、もう融資が付きませんか?
一律に付かないわけではありません。耐用年数はあくまで税務上の区分で、融資期間の判断基準は金融機関ごとに異なります。物件の収益力や借入れをされる方の属性を見て対応する金融機関もあります。ただし選択肢が狭まる可能性は高く、買い手の母数が減る点は織り込んでおいた方がよいと思います。
Q. 再建築不可の物件は、買ってはいけないのでしょうか?
価格に十分反映されていて、出口を現金の買主層に想定できているのであれば、選択肢のひとつにはなり得ます。問題なのは、相場並みの価格で買ってしまい、売るときに初めて買い手が限られると気づくことです。隣地の買い増しで接道を満たせるケースもありますので、購入前に可能性を確認しておくと判断が変わることがあります。
Q. 満室で利回りが高い物件なら、出口も安心と考えてよいですか?
満室という状態は、あくまで今の話です。次の買主は、将来の賃料水準と融資条件を前提に価格を判断します。短期の定期借家や親族入居で満室が作られている場合もありますので、レントロールで契約期間や入居開始日を確認し、賃料が相場と大きく乖離していないかを見ておくことをおすすめします。
靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座を中心に、収益物件の購入相談・査定・売却・賃貸管理までワンストップでサポートしています。