大阪市西区を中心に、賃貸・売買・収益物件・管理のご相談をお受けしています。お部屋探しからご入居後のお困りごとまで、同じ窓口でお話をお聞きしています。
この記事でわかること
- 管理会社が動きやすくなる記録の取り方(押さえる4点)
- 隣室へ直接伝える前に、誰に何をどの順番で出すか
- 生活音に一律の数値基準がない理由と「受忍限度」の考え方
- 上下階の音と隣室の音で、建物側の事情が違う理由
- 改善しないときの出口(住み替え・転居・法的手続き)の比べ方
- 大阪市西区の街ごとに出やすい音の傾向と、内見での確認点
大阪市西区での実績
「隣の部屋の足音やテレビの音が、夜中まで響いてくる。賃貸だから我慢するしかないのでしょうか」。入居から半年ほどのお客さまから、こうしたご相談をいただくことがあります。音の悩みは毎日のことですから、積み重なるほどつらくなります。ただ実務で見ていると、同じような音の悩みでも、結果が変わる分かれ目は「我慢した量」ではなく「動いた順番」にあります。この記事では、記録の取り方から管理会社への出し方、どこまで求められるのかという線の考え方、そして改善しないときの出口までを、大阪市西区の住まいの事情にあわせて順番に整理します。
賃貸の騒音は「我慢」ではなく「順番」で結果が変わります
音の感じ方は人によって差があります。同じ足音でも、在宅で過ごす時間が長い方と日中は不在の方では、受け取り方がまったく違います。だからこそ、相談を受ける管理会社や貸主の側は「うるさい」という言葉だけでは動きにくいのが実情です。逆に言えば、相談の中身が主観の訴えから事実の記録に変わった瞬間に、動きが出ることが少なくありません。
法律の建て方も押さえておくと、話の筋が通りやすくなります。賃貸借は、貸主が借主に目的物を使用させ収益させることを約束する契約です(民法601条)。もっともこれは、隣に住む人の生活音を貸主がすべて止める義務を負うという意味ではありません。実務で根拠になるのは、多くの賃貸借契約書に入っている「近隣に迷惑を及ぼす行為の禁止」という条項です。貸主や管理会社は、この契約上の約束を手がかりに、音を出している側へ是正を求めていくという組み立てになります。つまり、是正を求める相手は隣室の住人本人ではなく、契約の相手方である貸主・管理会社だと考えると、順番を間違えにくくなります。
もうひとつ、誤解されやすい点があります。騒音には国の環境基準がありますが、あれは工場や事業場、建設作業、道路交通などを対象にしたものです。集合住宅の内部で発生する生活音に、そのまま当てはめられる性質のものではありません。大阪市の条例も、深夜営業や作業に伴う音などを対象にしており、隣室の生活音そのものを直接取り締まる仕組みにはなっていません。「何デシベル以上なら違反」という一律の線が生活音には引かれていない可能性が高い、ということです。だからこそ、数値ひとつで決着させるのではなく、時間帯・頻度・継続時間をそろえた記録の積み上げが効いてきます。
管理会社が動ける材料をつくる、4つの手順
ここからは、実際にご相談をお受けするときにお伝えしている順番です。やるべきことは多くありません。ただ、順番を入れ替えると途端に進みにくくなります。
どこまで求められるのか、受忍限度という線の引き方
生活音には「お互いさま」の部分があります。どこまでが許容範囲かを考えるときに使われるのが受忍限度という考え方で、社会生活のうえで一般に我慢すべき限度を超えているかどうかで判断されます。考慮されるのは、音の大きさだけではありません。時間帯、頻度、続く長さ、建物の構造、地域の性格、先に住んでいたのはどちらか、音を出している側が改善の努力をしたか、といった事情が総合的に見られます。前の項でお伝えした記録が、そのまま判断材料になるわけです。
建物側の事情も知っておくと、相談の見通しが立てやすくなります。共同住宅の各戸の間を仕切る界壁については、建築基準法で遮音に関する技術的な基準が置かれています。ただし、ここで対象になっているのは隣の住戸との間の壁です。上の階から伝わる足音のような床衝撃音は、この規定が直接カバーする範囲ではありません。つまり、建物が基準を満たしていても上階の生活音は伝わり得る、ということになります。隣室の音と上下階の音を同じ話として扱わないほうが、原因の切り分けが進みます。
性能の目安として、床衝撃音にはL値(軽量床衝撃音のLLと重量床衝撃音のLH。数値が小さいほど伝わりにくい)、壁を通る空気音にはD値(数値が大きいほど遮りやすい)という指標があります。分譲マンションでは、管理規約や使用細則でフローリングに一定の等級を求めている例がありますが、賃貸では募集図面に遮音性能まで書かれていないことが多いのが実情です。気になる場合は、入居前に構造と上下左右の間取りを確認しておくほうが確実です。
| 音の種類 | 伝わりやすい経路 | 建物側で考えられる事情 | 記録で押さえる点 |
|---|---|---|---|
| 足音・物を落とす音 | 上階の床から下階へ | 界壁の基準の対象外。床の仕上げや下地の違いで差が出る | 時刻と「ドンという単発か、継続か」 |
| 話し声・テレビ | 隣室との界壁、共用廊下側の開口部 | 界壁の仕様、窓や玄関ドアの隙間、換気口 | 内容が聞き取れる程度かどうか |
| 低音(音楽・設備音) | 構造体を伝わり離れた住戸まで届く | 隣室とは限らない。給排水や空調の機械音の可能性 | 毎日同じ時刻に始まるかどうか |
| ドアの開閉・水音 | 共用部、配管スペース | ドアクローザーの調整不足、配管位置と間取りの関係 | 建物側の調整で収まる余地があるか |
| 屋外からの音 | 窓やバルコニー側の開口部 | 隣室の問題ではない。幹線道路や店舗の立地の影響 | 曜日による差(週末だけかどうか) |
※建物の構造や配管の経路によって事情は変わります。表は原因を切り分けるための目安としてご覧ください。
改善しないときの三つの出口と、費用の見方
注意を重ねても状況が変わらないことはあります。そのときに取り得る道は、大きく三つです。
ひとつめは、同じ建物の別のお部屋、あるいは同じ貸主や管理会社が扱う近隣物件への住み替えです。意外に見落とされがちですが、記録と相談の経緯が残っていると、このご相談はかなりしやすくなります。建物の構造が同じでも、角部屋に移る、隣が水回りの住戸に移る、最上階に移るといった変更で状況が変わる可能性があります。初期費用や契約の取り扱いは貸主の判断になりますので、まず確認するところから始めてください。
ふたつめは、転居です。ここで必ず押さえておきたいのが、契約書に書かれた解約予告期間と、短期解約違約金の有無です。予告期間は1か月前が多いものの、2か月前の設定もあります。また、入居から1年未満や2年未満の解約について、家賃1か月分程度の違約金を定めている契約も見かけます。引越し費用と新しい部屋の初期費用に、この違約金と予告期間分の家賃を足した金額が、転居の実際の負担になります。音の悩みで急いで決めてしまう前に、合計いくらになるかを一度並べてみることをおすすめします。
三つめは、法的な手続きです。受忍限度を超えると判断される状況であれば、相手方に対する損害賠償の請求を検討する余地があります。費用と時間の負担が軽い入口としては、簡易裁判所の民事調停があります。なお、貸主が音を出している入居者との契約を解除できるかどうかは、信頼関係が壊れたと言えるかで判断されますので、注意をしてもすぐに退去してもらえるとは限りません。どこまで求められるかの見極めは事情によって変わりますので、長く悩まれる前に弁護士など専門家へご相談ください。
大阪市西区の中でも、街によって出やすい音の傾向が違います。靭本町や京町堀はオフィスと住宅が混ざるエリアで、小規模なRC造や分譲賃貸が多い一方、近隣の業務用設備が夜間に動く音が気になるという声があります。新町や南堀江は飲食店が多く、深夜に屋外から人の声が上がってくるご相談が出やすいエリアです。阿波座は中央大通や阪神高速に近く、交通量に伴う音が入ることがあり、単身向けでは木造や軽量鉄骨造の建物も選択肢に入ってきます。隣室の音なのか、屋外や設備の音なのかで、相談先も打ち手も変わってきます。
これからお部屋を探される方は、内見のときに次の点を見ておくと、入居後の「こんなはずでは」を減らせます。壁を軽くノックして厚みの感触を確かめる。上下左右の住戸の間取りを聞き、隣が水回りか居室かを確認する。構造(木造・鉄骨造・RC造)を聞く。エレベーターやゴミ置場、駐輪場の位置を確かめる。外廊下か内廊下かを見る。こうした確認は、お部屋の中を見るだけでは分かりません。遠慮なく聞いていただいて構いませんし、答えられる会社かどうかは、そのまま会社を見る材料にもなります。
よくあるご質問
Q. 騒音計アプリの数値は、証拠として使えますか。
測定機器としての精度には幅があるため、数値そのものが決め手になるとは考えにくいところです。ただ、記録を補う材料としては役に立ちます。同じ場所・同じ方法で測り続けて、時間帯ごとの差が分かる形にしておくと説明しやすくなります。主役はあくまで、いつ・どのくらい・どんな音が、という事実の記録です。
Q. 管理会社に相談しても動いてくれないときは、どうすればよいですか。
まず、相談が記録に残る形で届いているかを確認してください。電話だけの場合は、同じ内容をメールや書面で改めて出すと動きが変わることがあります。それでも進まない場合は、貸主へ直接申し出る方法もあります。管理会社は貸主から委託を受けて業務を行う立場ですので、委託の範囲によって対応できることが違う場合もあります。どこで止まっているのかを切り分けるのが先です。
Q. 逆に自分が「うるさい」と言われてしまいました。どうすべきでしょうか。
まずは、どの時間帯のどんな音を指しているのかを具体的に確認してください。心当たりがあれば、洗濯や掃除機の時間を変える、床にマットを敷く、家具の脚にフェルトを付けるといった工夫で収まることもあります。改善に向けて動いた事実は、後で受忍限度が問題になったときに、ご自身の側の事情として意味を持ちます。心当たりがない場合も、感情的に応じるのではなく、管理会社を介して事実を確認するところから始めてください。
「この音は相談してもいいレベル?」
その一言から、お聞きします
大阪市西区の賃貸について、記録の取り方から住み替えの段取りまでご一緒に整理します。今のお部屋の契約書をお手元に置いてご連絡いただけると、解約予告期間や違約金の有無もその場で確認できます。小さなご相談でも構いません。
あわせて確認しておきたいこと