大阪市西区を拠点に、賃貸・売買・収益・管理までを一貫して取り扱っています。区分マンションのオーナーチェンジから一棟収益物件まで、資金計画の段階からご相談をお受けしてきました。融資の可否は金融機関、税額の計算は税理士の領域ですが、その前段にある「この物件はどちらのローンで組むものなのか」を整理するのは、不動産会社の仕事だと考えています。
この記事でわかること
- 住宅ローンの金利が低い理由と、契約上の「居住すること」という条件がどこに書かれているのか
- 投資目的を伏せて住宅ローンを使った場合に、どんな順番で何が起こりうるのか
- 住んだ後に転勤などで貸すことになった場合の、正しい手順と住宅ローン控除の扱い
- 大阪市西区で「住むか貸すか」迷っている段階での、資金計画を組む順番
住宅ローンの低金利は「自分が住む」前提とセットになっている
はじめに押さえていただきたいのは、住宅ローンの金利が低いのは、借りた本人がその家に住むからだということです。返済が止まれば自分の住まいを失うため、他の支払いよりも返済が優先されやすい。金融機関から見れば、それだけ回収のリスクが低い融資になります。この「住むから低金利」という関係が、住宅ローンという商品の土台です。
ですから住宅ローンの契約書、正式には金銭消費貸借契約や住宅ローン契約の条項には、本人またはご家族が居住することが前提条件として定められているのが一般的です。あわせて、居住しなくなった場合には金融機関へ届け出る義務や、違反時には残債の一括返済を求められる旨の定めが置かれています。ご自身の契約書の「資金使途」「届出事項」「期限の利益の喪失」という見出しの付いた条項を読み返していただくと、だいたい見つかります。
実際に2019年には、住宅金融支援機構のフラット35を投資目的で不正に利用したケースが問題となり、機構が一括返済を求める対応をとったことが報じられました。「少額だから」「一件だけだから」という話ではなく、制度の前提に関わる部分だという整理です。
税制の側も同じ考え方で揃っています。住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は、本人がその家に住んでいることが適用の要件です。したがって「住民票だけ移しておく」という進め方は、融資契約の面でも税務の面でも、正しい使い方とは言えません。なお、確定申告の内容や不動産所得の計上を通じて、賃貸に出している事実は書類の上に残っていきます。登記や賃貸の募集情報、火災保険の契約内容など、照合できる材料も意外に多いものです。
契約違反が分かったとき、どんな順番で何が起こるのか
「もし見つかったら」の部分が曖昧なまま話が進みやすいところですので、起こりうることを三つに分けて整理します。どれも、負担を引き受けるのはローンを借りたお客様ご本人です。
住宅ローンの契約には、約定違反があった場合に分割で返す権利(期限の利益)を失う旨の定めが置かれています。これが働くと、残っている借入金を一括で返すよう求められる立場になります。手元資金で返せなければ、投資用ローンへの借り換えを探すか、物件の売却を検討することになります。借り換え先が見つからない時期に重なると、選択肢は一気に狭まります。
住んでいないのに控除を受けていた期間があれば、その分は本来適用されないものとして扱われます。過去分をさかのぼって修正する必要が生じ、延滞税や加算税が加わることもあります。具体的な税額や手続きは税理士・税務署の判断になりますが、「控除で得をするつもりが、後からまとめて戻すことになる」という方向の話だとご理解ください。
一括返済を求められた経緯は、その金融機関との取引の記録として残ります。延滞に至れば信用情報に記録される可能性もあり、次の物件の融資や、住宅ローンそのものの申込みに影響します。不動産投資は一棟目で終わりにしない方が多いからこそ、ここは実利としても大きい部分です。
住んだ後に事情が変わって貸す場合は、何が違うのか
ここは誤解されやすいところですので、分けてお話しします。購入時は本当に住むつもりで住み始め、その後に転勤や家族の介護といったやむを得ない事情で貸すことになった。これは、最初から貸すつもりで住宅ローンを使うのとは別の話です。金融機関の側にも、こうした事情を想定した取扱いが用意されているのが一般的です。
ただし、黙って貸すのは避けてください。必ず借入先の金融機関に事前にご相談いただくのが順序です。事情によっては、そのまま住宅ローンの継続を認めてもらえることもあります。一方で、金利条件の見直しを求められることもあり、投資用ローンへの借り換えを前提に話が進む場合もあります。どの扱いになるかは各金融機関の判断ですので、こちらで断定はできません。だからこそ、先に相談しておく価値があります。
住宅ローン控除については、住んでいない年は原則として適用されません。転勤などで一時的に離れ、その後また戻って住む場合の取扱いについては別の定めもありますが、適用の可否はご事情ごとに変わりますので、税理士または所轄の税務署にご確認いただくのが確実です。
そして、検討の段階で「数年後に貸す可能性が高い」とご自身で感じているなら、購入前に金融機関へその前提を伝えておいてください。後から相談するより、選べる商品も条件も広いのが実務の感覚です。大阪市西区の物件では、転勤の多い企業にお勤めの方が自宅として購入され、数年後に賃貸へ回すという流れも珍しくありません。順番を踏めば、きちんと対応できる話です。
「住宅ローンで買えますよ」という提案の見分け方
投資用の物件は、本来アパートローンや投資用ローンで買うものです。金利は住宅ローンより高くなりますが、その金利で収支が回るかどうかを見極めることこそが、投資判断の出発点だと考えています。低い金利を前提にしなければ成り立たない収支表は、物件の収益力の弱さを金利で覆い隠しているだけかもしれません。
ご相談を受けていて気になるのは、次のような言い方です。「住民票を移せば分かりません」「このやり方は珍しくありません」「審査が通ってから考えましょう」。いずれも、お客様の側にリスクを寄せる言い方です。万一トラブルになったとき、一括返済を求められるのは借入をしたお客様ご本人であって、勧めた業者が肩代わりしてくれるわけではありません。
資料の面でも見分けられます。収支シミュレーションの金利が住宅ローンの水準で作られていないか、重要事項説明の前に申込みや契約を急がされていないか。宅地建物取引業者には宅地建物取引業法31条で業務処理の原則として誠実に業務を行うことが求められており、47条では重要な事項について故意に事実を告げない行為が禁じられています。「言わないでおきましょう」という提案は、この考え方と正面からぶつかります。
セカンドオピニオンを取ることも、遠慮される必要はありません。同じ物件について、投資用ローンの金利で組み直した収支表を別の会社に作ってもらうだけでも、判断材料はかなり増えます。
大阪市西区で「住むか貸すか」迷っているときの整理の順番
大阪市西区は、南堀江・新町の単身向け区分、靭本町・京町堀の落ち着いた住環境を好む実需層、阿波座の地下鉄3路線を使える利便性と、住む目的でも貸す目的でも候補になる住戸が多いエリアです。だからこそ「自分が住んでもいいし、貸してもいい」と迷ったまま話が進みやすい。整理の順番を決めておくと、判断がぶれません。
おすすめしているのは、次の順です。まず、住む前提か貸す前提かを先に決める。次に、その前提に合うローンの金利で収支または家計を組む。三つ目に、管理規約と使用細則で用途や賃貸が制限されていないかを確認する。四つ目に、出口を考える。区分の投資用物件は、売るときの買主も投資用ローンを使うことが多く、そのときの金利水準で価格の評価が変わります。自宅として買った住戸を後に投資家へ売る場合も、この点は同じです。
とくに三つ目は見落ちやすい部分です。分譲マンションでは、管理規約で住戸の用途を住宅専用と定めているのが一般的で、賃貸自体は可能でも、短期の転貸や民泊に当たる使い方が禁じられていることがあります。賃貸に回す可能性があるなら、購入前に規約と細則を取り寄せて、該当条項を目で確かめておいてください。
なお、融資の可否や条件は各金融機関の判断、税額の具体的な計算や申告は税理士の領域、契約の有効性に関する法律判断は弁護士の領域です。不動産会社としては、良いことも悪いことも含めて正直にお伝えし、必要に応じて各専門家と連携しながら進めることを大切にしています。
よくあるご質問
Q. 住民票を移してしばらく実際に住んでから貸せば、問題にならないのでしょうか。
「最初から貸すつもりだったかどうか」が分かれ目になりますので、短期間だけ形式的に住む段取りを組むのは、同じ問題を抱えたままです。賃貸に出す段階で金融機関へ相談するという手順は変わりませんし、相談の結果として金利の見直しや借り換えを求められる可能性もあります。住む期間の長さで判断が決まるものではない、とご理解いただくのが安全です。
Q. すでに住宅ローンで買った部屋を貸してしまっています。どうすればよいですか。
そのまま放置せず、まず借入先の金融機関にご相談ください。経緯によっては継続を認められることもありますし、投資用ローンへの借り換えを案内される場合もあります。あわせて、住宅ローン控除を受けていた年がある場合の取扱いは税理士または税務署に確認が必要です。ご自身で切り出すのは気が重いと思いますが、先に動いたほうが選べる道は多く残ります。
Q. 投資用ローンの金利では収支が回りません。どう考えればよいでしょうか。
それは、金利の問題ではなく物件の価格と収益力の問題だという見方ができます。回らないという結果そのものが、その価格では見合わないという判断材料です。自己資金の割合を見直す、価格交渉の余地を確かめる、別の物件と比べ直すという順で検討されるのが現実的です。低金利の商品を無理に当てはめて成立させる方向は、おすすめしていません。
靭本町・京町堀・南堀江・新町・阿波座を中心に、自宅用の中古マンションから区分のオーナーチェンジ、一棟収益物件までお手伝いしています。投資用ローンの審査で実際に何を見られるのかについては、大阪市西区で不動産投資を始めるなら知っておきたい、ローン審査の最新事情で詳しく整理しています。