株式会社クレアクロス代表取締役。大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理をワンストップで扱い、住宅ローンの返済が苦しくなったご家庭の任意売却と、その後の住まいのご相談に数多く携わってきました。
- 任意売却で「住み続けたい」と希望したとき、最初に判断するのが誰なのか
- 親族に買ってもらう方法で、価格の話より先に立ちはだかる壁
- リースバックの家賃が、周辺相場ではなく売却価格から決まる仕組み
- 定期借家契約(借地借家法38条)だと、期間満了で退去になる場合があること
- 「将来買い戻せる」という話を、書面のどこで確かめるか
- 住み続ける場合と引越す場合を、同じ項目で並べて比べる方法
- 大阪市西区(靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座)で進めるときの順番
「家は手放すことになっても、子どもの学校が変わらないように、このまま住み続けたい」。任意売却のご相談で、いちばん多くうかがう切実な声のひとつです。結論から言えば、条件がそろえば住み続ける方法はあります。ただし、どの方法にも債権者の同意と、無理のない資金計画が欠かせません。大阪市西区は靭本町や京町堀のように学区と生活圏が重なっているエリアで、「転校させたくない」というご希望はとくに強くなります。だからこそ、できる方法とできない方法を早い段階で切り分けることが大切です。
住み続けられるかを決めるのは、売主ではなく債権者
ふつうの売却であれば、誰に売るか、いくらで売るかは売主が決められます。任意売却はここが違います。売却代金で住宅ローンを完済できない状態での売却ですから、抵当権を外してもらうために、債権者である金融機関や保証会社の同意が前提になります。
そして債権者が見ているのは、ただ一点です。その売り方で、自分たちの回収額が市場で売った場合と同等以上になるか。「このまま住み続けたい」というご希望そのものに、債権者が反対するわけではありません。反対されるのは、その方法を採ったことで回収額が下がるときです。
ここを押さえておくと、話の順番が変わります。「住み続けられますか」と不動産会社に聞く前に、「いまこの家は市場でいくらで売れるのか」「残債はいくらで、配分案でどこまで認められそうか」を先に把握しておく。その数字がないまま住み続ける方法だけを探すと、時間だけが過ぎていきます。任意売却に使える期間そのものには、競売の開札日から逆算したはっきりとした期限があります。
親族に買ってもらう方法で、先に立つのは資金の壁
親や兄弟、お子さまに家を買い取ってもらい、そのまま住まわせてもらう。気持ちのうえでは理想的な方法です。ただ、任意売却の枠の中でこれを進めようとすると、二つの壁が同時に来ます。
一つめは、買う側の資金調達です。親族間売買を住宅ローンの融資対象外としている金融機関は少なくありません。理由は、売買の必要性や価格の妥当性を金融機関が確認しにくいためとされています。自己資金での購入か、親族間売買の取り扱いがある金融機関を探すことになります。ここが見通せないまま債権者に話を持っていくと、同意の検討そのものが止まります。
二つめは、価格です。債権者は市場価格に見合った金額かを厳しく見ます。身内だからと安くすれば、回収額が下がるため同意は得られません。また、時価より著しく低い価格で売買すると、その差額が贈与とみなされ(相続税法7条)、買った側に贈与税がかかるおそれもあります。査定書で価格の根拠を示し、売買契約書と代金の振込記録をきちんと残すことが大切です。
この価格の決め方そのものについては親子間売買と低額譲渡の注意点、残債が残る家で決済をそろえる段取りについては親のローンが残る家を子が買う場合で詳しく整理していますので、具体的な数字を置く段階で合わせてご覧ください。税額のご判断は税理士にご確認ください。
リースバックは、売値と家賃が連動している
親族に頼れない場合の選択肢が、第三者に売却して買主と賃貸借契約を結び、家賃を払いながら住み続けるリースバックです。選べる場面はありますが、仕組みを知らずに入ると負担が重くなります。確認していただきたい点を四つに分けます。
家賃は、周辺の賃貸相場からではなく、売却価格と買主の期待利回りから決まります。買主は投資として買うため、売却価格が高くなれば家賃も上がる関係にあります。「高く売れてよかった」と思った結果、毎月の家賃が重くなることがあるのはこのためです。
売却価格は、市場で一般の買主に売る場合より低くなる傾向があります。任意売却では、この点がそのまま債権者の回収額に響きます。価格が市場売却を下回れば、債権者が同意しない可能性があります。
契約の形式も確かめてください。リースバックの賃貸借契約は定期借家契約(借地借家法38条)で結ばれることが多く、この場合は期間が満了すると更新されず、退去をお願いされることがあります。「ずっと住める」と理解したまま2年や3年の定期借家契約を結ぶと、お子さまの卒業前に住まいを探し直すことになりかねません。
そして買戻しです。「将来買い戻せますよ」という説明があっても、価格・期限・条件が契約書に書かれていなければ、約束としての裏づけはありません。再売買の予約として書面にできているか、買戻しの価格が売却価格より高く設定されていないか、期限が現実的な年数かを確認してください。
ご相談の中には、月々の家賃が以前のローン返済額より高くなってしまったケースもありました。住み続けることそのものが生活を苦しくしては、本末転倒です。
「住み続ける」と「引越す」を同じ表で並べる
私たちがご相談者と一緒に必ずやるのが、三つの道を同じ項目で並べることです。感情で選ぶのではなく、続けられるかどうかで選ぶためです。
| 確認項目 | 親族間売買 | リースバック | 引越して賃貸 |
|---|---|---|---|
| 債権者の同意 | 市場価格並みなら得やすい | 価格が下がると得にくい | 通常の任意売却として検討 |
| 買う側の資金 | 融資が付きにくく自己資金が必要な場合も | 買主が投資判断で用意 | 一般の買主の住宅ローン |
| 毎月の負担 | 親族との取り決めによる | 売却価格と利回りで決まり相場より高めになりがち | 周辺の賃貸相場 |
| 居住の安定性 | 親族間の合意が続く限り | 定期借家なら期間満了で退去の場合も | 普通借家なら更新が原則 |
| 引越し費用 | 原則かからない | 原則かからない | 配分案で認められる場合がある |
| 学区・転校 | 変わらない | 期間満了まで変わらない | 同一学区で探せる場合がある |
並べてみると、「2年だけ住んで、子どもの卒業に合わせて引越す」といった現実的な答えが見えてくることも多いのです。大阪市西区であれば、同じ学区内で家賃を抑えた賃貸が見つかる場合もあります。引越す場合に配分案で認められる費用の考え方は、任意売却で引越し代は出るのかで整理しています。
大阪市西区で進めるときの順番と、エリアごとの事情
住み続ける方法を探す前に、完済に必要な額と、いま市場で売れる価格を並べます。この差額が、債権者と交渉できる幅になります。差が小さいほど選べる道は広く、大きいほど条件は厳しくなります。順番を逆にすると、同意の見込みがない方法に時間を使うことになります。
買い取ってくださるご親族が決まっていても、融資が付くかは別問題です。親族間売買を取り扱う金融機関があるか、自己資金でいくら出せるかを先に確認します。ここが固まっていれば、債権者に対しても具体的な金額で話ができます。曖昧なまま進めると、同意を待つあいだに競売の手続きが進みます。
提示された家賃が周辺相場とどれだけ違うか、契約が定期借家か普通借家か、期間は何年か、買戻しの価格と期限が書かれているか。この四点は口頭の説明ではなく、契約書と重要事項説明書の文面で確認してください。読み上げられて終わりにせず、写しを受け取って持ち帰ることをおすすめします。
西区は靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座と生活圏が近く、同じ学区内で住み替えられる場合があります。中央大通や阿波座駅の周辺はファミリー向けの供給があり、南堀江や新町は単身・二人暮らし向けが中心という違いもあります。家賃だけでなく、卒業や進級の時期と重ねて見ておくと、無理のない計画が立てやすくなります。
よくある質問(FAQ)
A. 住み続けられる場合はありますが、必ずそうなるとは言えません。任意売却では抵当権を外すために債権者の同意が必要で、その判断は回収額で行われます。リースバックの売却価格が市場で売る場合を下回れば、同意が得られない可能性があります。まず市場価格と残債の差を確かめ、提示されたリースバックの価格がその範囲に収まるかを見てから検討する順番が安全です。
A. 賃貸借契約ですので、家賃の滞納が続けば契約を解除され、明け渡しを求められることになります。住宅ローンの返済が苦しくて売却した方が、それより高い家賃を払い続ける契約を結ぶと、同じ問題が家賃という形で戻ってきます。提示された家賃が、いまの手取りで何年払い続けられるのかを先に計算してください。続けられない金額なら、引越しを前提に組み立てたほうが生活は安定します。
A. 口頭の説明だけでは裏づけになりません。再売買の予約などの形で契約書に書かれているか、買戻しの価格・期限・条件が具体的に特定されているかを確認してください。買戻し価格が売却価格より高く設定されていることもあり、その差額を将来用意できるかという問題になります。住宅ローンの返済が難しかった状況から数年で買戻し資金を用意できるか、冷静に見ておく必要があります。契約内容の法的なご判断は弁護士にご確認ください。
株式会社クレアクロスは大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理をワンストップで扱っています。任意売却に使える時間の区切りについては任意売却はいつまで可能か、引越し費用が配分案で認められるかについては任意売却で引越し代は出るのか、親族間で価格を決めるときの注意点については親子間売買と低額譲渡で、それぞれ詳しく整理しています。残債の確認だけのご相談も歓迎です。