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【重複確認】親名義の家は誰が売る? | 大阪市西区の売却【意思能力・本人確認・後見】

2026.10.01(Thu)

売却・査定BLOG

【重複確認】親名義の家は誰が売る? | 大阪市西区の売却【意思能力・本人確認・後見】

執筆
この記事を書いた人:重村裕一(宅地建物取引士)
株式会社クレアクロス代表取締役。大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理まで幅広く不動産の相談を受ける。肩書きより「自分の家族に勧められるか」を判断のものさしにしている。
この記事でわかること
  • 親名義の不動産を売ると決められるのは、ご家族ではなく名義人ご本人だということ
  • 意思能力を欠いた状態の契約は無効とされる(民法3条の2)という出発点
  • 媒介契約・売買契約・決済の各場面で、誰がどこまで本人確認と意思確認をするのか
  • 委任状や代理が使える場面と、使っても手続きが止まってしまう場面の線引き
  • 判断能力が不十分になった後の道筋と、居住用不動産の売却に家庭裁判所の許可が必要な理由(民法859条の3)
  • 大阪市西区(靭本町・新町・南堀江・京町堀・阿波座)での実際の段取りとFAQ
大阪市西区エリアの
賃貸・売買・収益・管理
をワンストップでサポート。ご両親名義の不動産の進め方も、ご本人を交えてご相談いただけます

「母が施設に入るので、大阪市西区のマンションを売って費用に充てたい。手続きは全部こちらでやるので進めてください」。ご家族を思ってのご相談で、私はこういうお電話を年に何度もいただきます。けれど私は一度、「お母さまとお話しさせてください」とお願いします。親切でそうしているのではありません。不動産を売ると決められるのは登記上の名義人ご本人だけで、そこを飛ばした契約は後から無効を主張される余地が残り、買主さまにもご家族にも大きな負担がかかるからです。この記事では、親名義の不動産を売るときに現場で何がどう確認されるのかを、媒介契約・売買契約・決済・登記という時間の流れに沿って整理します。

大阪市西区で親名義のマンション売却を相談する家族と宅建士

売ると決められるのは、登記簿に載っているご本人だけ

不動産を売るかどうかを決める権限は、登記上の所有者にあります。同居しているご長男でも、費用を負担してきたご長女でも、名義人でなければ売却を決めることはできません。ご家族が代わりに署名した、あるいは委任状を用意した、という形を取っても、その根っこにご本人の意思がなければ契約は揺らぎます。

民法3条の2は、意思能力を欠く状態でした法律行為は無効とすると定めています。意思能力とは、自分がしていることの意味や結果を理解する力のことです。つまり「売ると理解して売る」という状態がなければ、売買契約そのものが成り立たない。これが出発点です。無効は、後になってご本人や別のご親族から主張され得ます。すでに引き渡して買主さまが住み始めていた、リフォーム費用を投じていた、という段階で揺れると、損害の収まりどころがありません。

ここを曖昧にしたまま進めることは、売主さま側にとってもリスクです。仲介に入る私たちは宅地建物取引業者として、売主が処分権限を持つ本人であることを前提に媒介契約を結びます。その前提が崩れていれば、媒介契約の効力にも、買主さまへの説明責任にも影響します。ですから「ご家族のご相談でも、必ず名義人ご本人の言葉を聞く」という一手間は、人情ではなく手続きの要件なのです。

意思確認は一度ではない。三つの関門がある

ご相談のとき、「契約の日に本人が来れば大丈夫ですよね」と言われることがあります。実際には、売却の過程でご本人の意思が確かめられる場面は三つあり、どれも別の人が別の目的で確認します。ここを知っておくと、段取りの組み方が変わります。

一つ目は媒介契約です。売却の依頼そのものがご本人の意思であることを、私たち仲介業者が確認します。ここでご本人に会えていないと、以降すべてが砂の上の工事になります。二つ目は売買契約です。売買の条件、つまり価格、引渡しの時期、付帯設備の扱いまでをご本人が理解して合意しているか。宅地建物取引士の重要事項説明を受ける相手も、原則としてご本人です。

三つ目が決済・所有権移転登記の日です。ここでは司法書士が、売主ご本人の本人確認と、売る意思の確認を独立して行います。登記は一度動かすと簡単には戻せませんから、司法書士はご自身の責任で確認します。ここで確認が取れないと判断されれば、買主さまの住宅ローンの実行も含めて、決済当日に手続きが止まります。買主さまは引越しの日取りを押さえ、仮住まいの精算まで組んでいることが多い。止まったときの迷惑は、想像よりはるかに大きいのです。

逆に言えば、この三つの関門を最初から見通しておけば、進め方は落ち着いて決められます。ご本人が施設や病院にいて外出が難しいなら、面会室で媒介契約の説明をする、司法書士に出張してもらう、といった段取りを先に組めます。「当日来られるかどうか」ではなく「どこで誰が確認するか」を先に設計する。これが実務のコツです。

親の家の話を進める前に、この三つをやってください

1
登記事項証明書で、名義が誰なのかを確かめる

「父の家」と呼んでいても、登記簿を見ると父と母の共有だった、あるいは先に亡くなった祖父の名義がそのまま残っていた、ということが本当によくあります。共有なら共有者全員の意思が必要ですし、名義が故人のままなら相続登記を先に済ませないと売れません。登記事項証明書は法務局やオンラインで取得できます。ここを確認せずに売却の話を進めると、誰に意思確認をすべきかという最初の設計からやり直しになります。

2
ご本人に、売るかどうかではなく「どうしたいか」を聞く

「売ってもいい?」と尋ねると、親御さんはご家族に気を遣って頷かれることがあります。面と向かって反対できず、心の中で納得していないまま進んでしまう。私が実際に立ち会ったご相談では、施設の面会室でゆっくりお話を伺ったところ「あの部屋は主人と最後に暮らした家やから、売るのはまだ考えたくない」とおっしゃいました。判断する力はしっかりお持ちで、気持ちの整理がついていなかっただけでした。ご家族で話し合い、仏壇や思い出の品の行き先まで決めたうえで、ご本人が納得されたのは約二か月後。契約の日はご自分で署名され、「ちゃんと自分で決められて良かった」と笑っておられました。聞き方を変えるだけで、結論は同じでも後に残るものがまるで違います。

3
売却の目的と使い道を、家族の間で言葉にしておく

施設の入居費用に充てる、医療費に備える、空き家の固定資産税と管理の負担を止める。目的がはっきりしていれば、ご本人も納得しやすく、ご兄弟の間でも説明がつきます。逆に目的が曖昧なまま売ると、あとから「なぜ急いだのか」「代金はどうなったのか」という話になりがちです。売却代金は名義人ご本人のお金であり、ご家族の生活費と混ぜて管理すると、相続が始まったときに説明が難しくなります。入金先の口座と使い道は、売る前に決めておいてください。

ご本人の状態で、進め方はここまで変わる

同じ「親名義の家を売りたい」というご相談でも、ご本人の状態によって取れる手段と必要な期間が変わります。現場でよく出会う四つの型に分けて並べました。

ご本人の状態 売却を決める人 必要になりやすい手当て 期間の目安
判断能力に問題がなく、外出もできる ご本人 通常の売却手続き 売り出しから引渡しまで数か月
判断能力はあるが、入院・入所で動けない ご本人(手続きの一部を代理) 面会での説明、司法書士の出張確認、個別の委任 通常+日程調整の分
判断能力に不安があり、波がある ご本人(慎重な確認が前提) 医師の意見、司法書士との事前面談、記録の残し方 確認の工程が増える
判断能力が十分でなくなった 成年後見人(家庭裁判所が選任) 後見開始の申立て、居住用不動産なら売却の許可 申立てから売却まで数か月単位

表の二段目について、よく誤解があります。判断能力がある方の場合、売却に関する個別の事務をご家族に委任することは可能です。ただし委任状があれば何でも通るわけではなく、委任の範囲が明確であること、そして委任した時点でご本人に意思能力があったことが問われます。白紙委任や、用途が書かれていない包括的な委任状は、司法書士の段階で止まる可能性が高いものです。「委任状を一枚作ればいい」と考えず、どの行為を誰に委ねるのかを個別に組み立ててください。

施設の面会室で売却の意向を本人に確認する場面

判断が難しくなった後は、家庭裁判所が関わる道になる

認知症などでご本人の判断能力が十分でなくなった後は、ご家族が代わりに売ることはできません。この場合に検討することになるのが成年後見制度です。家庭裁判所に後見開始の申立てをし、選任された成年後見人が、ご本人の財産を本人のために管理・処分します。

注意していただきたいのは、後見人が選任されても自宅はすぐ売れないという点です。ご本人が住んでいた居住用不動産を売却するには、家庭裁判所の許可が必要です(民法859条の3)。住まいを失うことがご本人の生活や精神状態に与える影響が大きいため、裁判所が個別に判断する仕組みになっています。許可の申立てでは、売却の必要性、売却価格の妥当性、ご本人の住まいがその後どうなるのかが問われます。申立てから売却までに数か月単位の時間がかかることも珍しくありません。

加えて、成年後見人はご本人のためだけに動きます。ご家族にとって都合のよい価格や時期で売れるとは限らず、相続税対策のような家族側の目的で動かすこともできません。後見人に親族が選ばれないこともあります。制度が悪いという話ではなく、ご本人を守るための制度だからこそ、ご家族の裁量は小さくなるのです。

だからこそ、「親の家をいずれどうするか」はお元気なうちに、ご本人を交えて話しておくことに意味があります。判断能力がある段階なら、売る・貸す・住み続けるという選択肢をご本人が選べます。難しくなってからでは、選択肢は制度の枠の中に収まっていきます。なお、どの制度を使うべきかという最終的な判断や申立ての手続きは、司法書士・弁護士の領域です。私たちは不動産の側から、売るとしたらいくらで、どのくらいの期間がかかるのかという材料をお出しする役目を担います。

大阪市西区で実際に多い場面と、現場の段取り

西区は街ごとに住まいの性格が違い、ご両親名義の不動産のご相談も内容が分かれます。靭本町・京町堀は分譲マンションが多く、ご両親が長く住まれた住戸をお子さんが引き継ぐかどうかで迷われるケースが目立ちます。管理組合の資料や修繕積立金の状況がはっきりしているぶん、売る場合の見通しは立てやすいエリアです。

新町・南堀江は、一階が店舗で上階が住まいという建物や、間口の狭い戸建てが混ざります。登記の名義が祖父母の代のまま残っていることがあり、相続登記から入らないと売却の話に進めない例が少なくありません。阿波座は交通の便がよく、施設への入居を機に住戸を手放すご相談が多いエリアです。ご本人が市外や府外の施設に移られていると、面会と決済の日程調整が段取りの要になります。

こうした場面で私たちがまずするのは、売り出し価格の話ではありません。登記簿で名義を確かめ、ご本人にお会いできる方法を相談し、司法書士に早い段階で相談経路を作っておくことです。価格の話は、その土台ができてからで十分間に合います。順番を逆にすると、買主さまが決まってから止まることになり、誰も得をしません。

ご本人がまだ迷っておられるときは、急いで媒介契約の話をしません。「急いで決めることではありませんよ」とだけ申し上げて、時間をお預けします。二か月後にご自分で署名された先ほどのお母さまのように、ご本人が納得して決めた売却は、その後のやり取りが驚くほど静かです。手続きとしても、気持ちとしても、そこがいちばん強い土台になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 親の委任状があれば、子どもだけで売却を進められますか?

A. 判断能力のある親御さんが、範囲を明確にして委任された場合に限り、手続きの一部を代理することはできます。ただし決済・所有権移転登記の場面では司法書士が売主ご本人の意思確認を行いますので、ご本人に一度も会えないまま最後まで進むことは想定しにくいのが実務です。白紙委任や用途の書かれていない包括的な委任状は、その段階で止まる可能性があります。どの行為を委任するのかを、司法書士に相談しながら個別に組み立ててください。

Q. 認知症の診断を受けていますが、話はできます。売却はできますか?

A. 診断名だけで一律に判断されるものではなく、問われるのは契約の意味と結果を理解できているかどうかです。実際には司法書士がご本人と面談して判断しますので、売り出す前の段階で相談経路を作り、必要なら医師の意見を得ておくのが安全です。判断が難しいとされた場合は成年後見制度の検討になり、居住用不動産であれば家庭裁判所の許可も必要になります。最終的な判断は司法書士・弁護士の領域ですので、私たちは不動産側の見通しをお出しする形でご一緒します。

Q. 親が施設から外出できません。契約はどうすればよいですか?

A. 実務では、面会室や居室で重要事項説明と契約を行い、決済日も司法書士が出張して本人確認と意思確認を行う形を取ります。施設の面会ルールや同席できる人数に制約があることも多いため、日程は早めに押さえてください。買主さま側の住宅ローンの実行日と施設側の都合を合わせる調整が要になりますので、売り出しの前にこの段取りを立てておくことをお勧めします。

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大阪市西区の不動産を見てきた宅地建物取引士が、登記の名義の確認から、ご本人にお会いする段取り、司法書士への相談経路、売るとしたらいくらでどのくらいかかるのかまで、正直にお伝えします。売らないという結論でも構いません。まずは現状の整理からどうぞ。

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株式会社クレアクロスは大阪市西区で賃貸・売買・収益・管理をワンストップで扱う不動産会社です。ご両親名義の不動産の進め方、相続登記が済んでいない実家の売却、施設入居に伴う住み替え、空き家の管理まで、不動産の側からできることをお手伝いします。判断能力があるうちの備えについては生前贈与と家族信託の違いは?もあわせてご覧ください。

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